西オーストラリア・ジャックヒルズ地域に産出する変礫岩中ジルコンのウラン鉛年代測定と微量元素濃度分析より、冥王代を通じた火成活動機構の時間変動を推定した。分析の結果、約42億年前より以前のジルコンの母岩は海洋島火山岩タイプであることが推測され、その結晶化温度も700℃以上であると算出された。一方、約42億年前以後のジルコンを晶出した火成活動は海洋島型に加え、沈み込み帯や中央海嶺型が卓越することを示唆する結果となった。このようにジャックヒルズ冥王代ジルコンを生み出す火成活動様式は、中期(約42-44億年)から後期(約42億年前以後)へと変化しており、その原因のさらなる究明が待たれる。