2023 年 4 巻 2 号 p. 30-37
日本の社会インフラにおいて,50年以上経過した建設物の割合が増加している.また,今後の建設業界の就業者数は減少すると予測されており,社会インフラの適切な維持管理が困難となる.この問題に対して,地物や部位の単位に点群データを構造化して管理するプロダクトモデルの手法が提案されている.この提案に基づいた維持管理データの更新方法では,効率的な更新手法の開発が必要と考える.そこで,本研究では,地物を自動識別する技術を活用した上で,各地物の3次元の領域形状データ枠の位置を補正する手法と識別漏れを補完する手法を考案し,MMSにより取得された点群データを用いた道路地物の維持管理データの更新において,その有用性を検証した.実験の結果,本手法は効率的な維持管理データの更新が可能であることが確認された.