日本地球化学会年会要旨集
2019年度日本地球化学会第66回年会講演要旨集
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S01 海洋-大気境界層における地球化学(SOLAS)
北海道噴火湾における海洋堆積物中揮発性有機ヨウ素化合物の時系列観測
*南川 佳太伊藤 駿孟 繁興宮下 直也大木 淳之
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p. 19-

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抄録

海洋や大気には揮発性有機ヨウ素化合物 (VOI) が存在し、その生成には生物の寄与が報告されている。北海道噴火湾の底層水においては、春季ブルーム後の4月から7月にかけてヨードエタンとヨードメタンの2種類のVOIの高濃度が観察されるという報告もある。本研究では、沿岸堆積物が海水中VOIの発生源であると推測し、噴火湾湾奥部における隔月ごと (2018年3月初旬から2019年6月) の海水および堆積物間隙水試料中VOIの定量結果から、その関係性を明らかにすることを目的とした。堆積物試料表層の間隙水中では、直上水中よりも高濃度のVOI が確認された。2018年の堆積物中VOI濃度の傾向は、 (1) 3月初旬で最も低く、(2) 3月中旬から8月まで高濃度を維持、(3) 10月から12月まで濃度減少、の3つのフェーズに分けられた。直上水では2週間から2ヶ月遅れで類似する傾向が見られた。2019年については、VOI濃度変化の傾向が前年と異なった。

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© 2019 日本地球化学会
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