2021 年 39 巻 1 号 p. 51-62
本研究では,農業公社主導の就農研修経験者のうち,研修中止や就農後の離農といった進路変更者の 属性や進路変更要因を,研修指導者3 名の評価や聞き取り調査により解明し,受け入れ側の支援体制の改善 方策を明らかにした. その結果,進路変更者は,研修年齢が低いこと,高卒の割合や未婚の割合が高いこと等の属性の特徴が見 られた.また,その進路変更要因は,結婚など個人の特殊事情のほか,研修中止の主要因は,農業研修参加 への動機の弱さなどの心理的要因であること,就農後の離農の主要因は,コミュニケーション不足やトラブ ル,技術力不足等の経営者能力に関わる要因であることを明らかにした.そのため,就農研修の採用基準の 強化や,地主・地域住民との交流推進の支援,新規就農者の組織化,臨時雇用による労働支援など多様な支 援が必要であることを明らかにした.