p. 47-
湖沼や海洋の溶存有機物(DOM)の特性・動態については、分子サイズと生分解性が関連する傾向がこれまで明らかになっており、「サイズ-反応性連続体モデル」が提唱されている。しかし、天然レベル濃度の水圏DOMについて、分子サイズ別の生分解プロセスを直接調べた研究は乏しい。本研究では、琵琶湖の天然湖水DOMについて、長期生分解実験(205日間)により分子サイズ別に生分解速度を推定した結果を示す。DOM試料について、全有機炭素計を接続したサイズ排除クロマトグラフィー(TOC-SEC)で分析することで、時間経過に伴うDOM分子サイズ分布の変化を有機炭素量ベースで詳細に追跡した。分子量が100kDa程度の高分子DOMは、分子量が数百~数千Da程度の低分子DOMよりも生分解速度が速く、実験開始後101日が経過した時点で、高分子DOMピークはほぼ消失した。本発表では、こうした結果と、従来のモデルとの整合性を議論する。