国内由来の大気汚染だけでなく、アジア大陸由来の越境汚染の影響も大きく受ける富山県内において大気中のH2O2濃度をHCHO、O3やSO2と共に測定し、大気中の濃度変化やSO2の液相酸化への影響について考察した。過酸化物の採取は、ミストチャンバー法を用いて行い、採取した試料中の過酸化物濃度を、HPLC・ポストカラム・酵素式蛍光法で測定した。H2O2は夏季(7, 8月)に極大となる明瞭な季節変化が観測された。HCHO濃度も同様に7, 8月に極大となり、H2O2やHCHOは光化学反応による二次生成の寄与が大きいものと考えられる。特に、越境汚染の影響を大きく受けていた2013年夏季にH2O2濃度が非常に高かった。一方でO3濃度の極大は5月に観測され、H2O2やHCHOとの濃度ピークに2か月程度のズレがみられ、北陸地方の特徴と考えられる。H2O2は、夏季(7、8月)にはO3と優位な正の相関関係が、寒候期(11~3月)にはNOXと負の相関関係がみられた。