主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
回次: 67
開催日: 2020/11/12 - 2020/11/26
p. 105-
間接的に過去の二酸化炭素濃度を推定する方法として海洋に存在する炭酸塩中の11B/10Bと海洋のpHの関係性を利用したホウ素同位体比指標が注目されている(Hemming and Hanson, 1992)。海水中のB(OH)4-とB(OH)3の存在比は海水のpHに依存しており、B-O間の結合が強いB(OH)3に重い同位体(11B)が濃縮することが知られている(Kakihana et al., 1977)。炭酸塩にB(OH)4-のみが取り込まれるため、炭酸塩中の11B/10Bを用いて炭酸塩が沈殿した当時の海水のpHを推定することができる(e.g. Hemming and Hanson, 1992)。しかし、このpH指標において炭酸塩に取り込まれる際の同位体分別は考慮されてこなかった。本研究では、pH及び結晶成長速度を制御した条件下でホウ素を添加した炭酸塩を作成し、炭酸塩に取り込まれる際の同位体分別及び結晶成長速度の変化による同位体分別の大きさを評価した。