抄録
「目的」併存疾患を有する入院期心不全患者における理学療法が、機能的自立に与える影響について明らかにすることを目的とした。 「方法」2012 年 4 月〜 2014 年 3 月までに当院入院にて理学療法を実施した 78 名の CHF 患者を対象とした。対象は、併存疾患(運動器疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患)のある場合を併存あり群、ないものを併存なし群と分類し、患者背景因子および理学療法実施前後の FIM について比較検討した。 「結果」併存疾患を有する慢性心不全患者は、併存疾患のない群と比較して、入院前より自立度は低下しており(P < 0.01)、また入院期の FIM は低かった(P < 0.001)。しかし、FIM は、理学療法介入により改善を示すことが示唆された(P < 0.01)。 「結論」併存疾患を有する慢性心不全患者は機能的自立度が低下しているが、理学療法により改善を認める。