江戸川区小松川地区における工場跡地のCr(Ⅵ)汚染では, 現在も道路わき雨水ます内滞留水で高濃度のCr(Ⅵ)(>150 mg/L)が検出される. 現場において還元的な環境(<0 mV)ほど高濃度のCr(Ⅵ)が検出されており, その要因を考察するため, 硫酸鉄(II)によるCr(Ⅵ)の還元バッチ試験を異なる pH, Eh条件にて実施した. その結果, 汚染水試料においてpHが高くなるほどCr(Ⅵ)還元が抑制され, クロム酸カリウム試薬により調整したCr(VI)溶液での試験と同様の結果を得た. また, 汚染水試料のEhが低いほどCr(Ⅵ)がより還元される傾向もみられた. また. EhよりもpHの方がCr(Ⅵ)濃度に対する影響がより強いという可能性が示唆された. 以上から, 汚染地において還元環境で高濃度のCr(Ⅵ)が検出されるのは, 高pHによる還元反応の抑制が一因と考えられた.