日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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G2 環境地球化学・放射化学
アルカリ条件下における黄鉄鉱の初期酸化溶解反応機構の速度論的考察
*淵田 茂司Xue Jifeng石田 紗菜所 千晴
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キーワード: 黄鉄鉱, 酸化溶解, 速度論
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p. 12-

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抄録

黄鉄鉱は地殻内に最も多く存在する硫化鉱物であり,金属鉱床やその他還元的な環境に広く分布する。黄鉄鉱は酸素およびその他酸化剤と接触することで酸化と溶解が同時に生じる。この反応は地球表層における鉄および硫黄循環システムで重要な役割を担い,鉱床形成や水質形成などの地質学あるいは地球化学プロセスと密接にリンクする。黄鉄鉱の酸化に関する多くの研究が存在するが,その大部分は鉄が沈殿しない酸性領域あるいは陸上鉱床の酸性坑廃水生成と関連のある酸性~中性領域で実施したものが多く,高アルカリ条件における黄鉄鉱の酸化溶解速度に関する知見は意外と少ない。海水やアルカリ環境,浮選などの工業分野における黄鉄鉱の挙動を正確に把握するうえで,アルカリ条件下における黄鉄鉱の速度論的考察は非常に重要な意味を持つ。本研究ではpH~12の条件で黄鉄鉱の短期酸化溶解試験を実施し,律速となる反応プロセスについて考察した。

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