主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
回次: 67
開催日: 2020/11/12 - 2020/11/26
p. 153-
地下環境のメタンは天然ガスの主成分として重要であり、また地下の微生物活動や、流体移動と密接に関係する物質の一つである。従来、メタンの起源を知るための指標としてその炭素・水素安定同位体比(δ13C, δD)などが用いられてきたが、近年、メタンの生成過程を知るための新たな方法が発表された。これは、メタンの起源をメタンのクランプトアイソトープと呼ばれる重い同位体同士である13CとDの13C-D結合をもつメタン分子(13CH3D)の存在量が、メタンの生成温度に依存することを利用し、Δ13CH3D(>1000Kでのランダムな13CH3D/12CH4の分配との比)からメタンの生成温度を見積もるというものである。本講演では、波長可変赤外レーザー差分吸収分光法を用いたメタンのクランプトアイソトープ分析システムと、天然試料の測定例について紹介する。