日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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G9 地球化学のための最先端計測法の開発、および、境界領域への挑戦
波長可変赤外レーザー差分吸収分光法によるメタン凝集同位体分子種測定
*井尻 暁稲垣 史生
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p. 153-

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抄録

地下環境のメタンは天然ガスの主成分として重要であり、また地下の微生物活動や、流体移動と密接に関係する物質の一つである。従来、メタンの起源を知るための指標としてその炭素・水素安定同位体比(δ13C, δD)などが用いられてきたが、近年、メタンの生成過程を知るための新たな方法が発表された。これは、メタンの起源をメタンのクランプトアイソトープと呼ばれる重い同位体同士である13CとDの13C-D結合をもつメタン分子(13CH3D)の存在量が、メタンの生成温度に依存することを利用し、Δ13CH3D(>1000Kでのランダムな13CH3D/12CH4の分配との比)からメタンの生成温度を見積もるというものである。本講演では、波長可変赤外レーザー差分吸収分光法を用いたメタンのクランプトアイソトープ分析システムと、天然試料の測定例について紹介する。

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