日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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S1 地球史・人類史の年代測定
北アメリカ大陸主要河川の川砂モナザイトのU–Pb年代・Nd同位体・微量元素組成
*吉屋 一美板野 敬太飯塚 毅
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p. 170-

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抄録

北アメリカ大陸の中心部は、複数の太古代のクラトンと、それを取り巻く原生代の造山帯により形成されており、さらに顕生代の造山帯に囲まれている。大陸河川の河口には流域の基盤岩から削剥された砕屑性鉱物が運搬される。風化侵食に強く、年代測定が可能な砕屑性鉱物から年代スペクトルを得ることで、後背地の造山運動イベントの年代制約を行える。リン酸塩鉱物であるモナザイトは、単一粒子から高精度年代を決定可能な理想的な分析対象の1つである。本研究は、北アメリカ大陸のマッケンジー川とミシシッピー川の河口で採取した川砂から約400粒子のモナザイトを分離、LA-ICP-MSを用いてU-Pb年代、微量元素濃度、Sm-Nd同位体分析を行った。マッケンジー川のU-Pb年代は、2億年前と26年前に高いピーク、18.5-19.5億年前に幅広いピークを示し、ミシシッピー川は、14億年前と17.5億年前付近に高いピークを得た。これらは同河川の砕屑性ジルコンから得られた年代頻度分布とは明確に異なる。

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