日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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S2 微生物生態学2020
Roseomonas属細菌由来Penicillin G acylaseのN-acylhomoserine lactone分解と抗生物質耐性の二機能性解析
*関 篤也佐々木 裕哉奈須野 恵理加藤 紀弘
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p. 189-

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抄録

Roseomonas sp. TAS13が保有するPenicilline G acylase (PGA)はグラム陰性細菌のQuorum Sensing (QS) 機構で利用される細胞間シグナルN-acylhomoserine lactone (AHL) と抗生物質の双方を加水分解する。これは抗生物質耐性に加えて周囲のQS機構を阻害する2つの機能を有する可能性を示すものの、その生態的な意義は不明である。そこでTAS13株と単離源の異なる2種類のRoseomonas属細菌のPGAをクローニングしPenicilline G (PenG)及びAHLの分解活性を比較した。その結果TAS13株由来のPGAはPenGとAHL双方の分解活性が高かったのに対して、他のPGAでは分解活性が有意に低かった。これは一部のRoseomonas属細菌のPGAが近縁に生息する細菌のQS阻害に寄与することを示唆している。

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