主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
回次: 67
開催日: 2020/11/12 - 2020/11/26
p. 189-
Roseomonas sp. TAS13が保有するPenicilline G acylase (PGA)はグラム陰性細菌のQuorum Sensing (QS) 機構で利用される細胞間シグナルN-acylhomoserine lactone (AHL) と抗生物質の双方を加水分解する。これは抗生物質耐性に加えて周囲のQS機構を阻害する2つの機能を有する可能性を示すものの、その生態的な意義は不明である。そこでTAS13株と単離源の異なる2種類のRoseomonas属細菌のPGAをクローニングしPenicilline G (PenG)及びAHLの分解活性を比較した。その結果TAS13株由来のPGAはPenGとAHL双方の分解活性が高かったのに対して、他のPGAでは分解活性が有意に低かった。これは一部のRoseomonas属細菌のPGAが近縁に生息する細菌のQS阻害に寄与することを示唆している。