主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
回次: 67
開催日: 2020/11/12 - 2020/11/26
p. 192-
Umm Al-Aqaribのメソポタミア古代都市遺跡は、紀元前三千年紀頃の重要な都市とされる。遺跡の広大な敷地の多くは、現在砂丘に覆われている。これは、当該地域気候の乾燥化に伴い、メソポタミア古代都市遺跡が砂丘に侵食されて飲み込まれたとされる。今回、三ヶ月型砂丘(バルハン)から、風上側と風下側で砂丘堆積物を採取し、ルミネッセンス法を用いてその堆積年代を推定した。そして、Umm Al-Aqaribにおけるバルハンの移動速度を推定した。その結果、砂丘堆積物の年代は風上で0.92 ka(ka:千年前)、風下で0.16 kaおよび0.62 kaと得られた。風下側の年代がばらつくことから、現在も砂丘が動いていることを示唆している。今回の結果を基に、バルハンの移動速度を計算すると、おおよそ1.8〜4.5 cm/年となった。