主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
回次: 67
開催日: 2020/11/12 - 2020/11/26
p. 56-
本研究で着目するマンガン酸化物は、地球史を通して酸化還元環境の指標として用いられてきた。マンガン酸化は無機的なものと、マンガン酸化菌のような微生物が関与するもの(生物的マンガン酸化)があり、後者は前者よりマンガン酸化速度が10万倍速いことが知られている。そのため、環境中におけるマンガンサイクルを考える上で重要である。本研究では、(1)環境中で生物的マンガン酸化がマンガン酸化物の形成に寄与しているのか、(2)生物的マンガン酸化物を示す地球科学的特徴は何か、という点を明らかにするために、鉄炭酸泉が湧出する秋田県の八九郎温泉で観察できるマンガン酸化物に対して、走査型・透過型電子顕微鏡を用いた形態学的・地球化学的研究を行った。また、このマンガン酸化物からDNAを抽出した後、16SrRNA系統解析による微生物叢組成の理解とショットガンメタゲノム解析を用いたマンガン酸化遺伝子の探索を行った。本発表では、これらの分析結果について報告する。