日本地球化学会年会要旨集
2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
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G5 古気候・古環境解析
東南極における大気硫酸の硫黄安定同位体組成の均一性と氷期-間氷期の硫黄起源のシフトに対する示唆
*石野 咲子服部 祥平Joel SavarinoMichel LegrandEmmanuelle AlbalatFrancis AlbaredeSusanne PreunkertBruno Jourdain吉田 尚弘
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p. 73-

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抄録

硫酸エアロゾルの硫黄安定同位体組成(δ34S)は、異なる硫黄起源の寄与を反映して変化する。しかし、大気輸送中のSO2酸化反応においてδ34S値が大きく同位体分別を受ける可能性が指摘されていた。このため、南極アイスコア中のδ34S値は氷期-間氷期で変動があるものの、過去の硫黄起源の変化としての解釈はなされてこなかった。これに対し本研究では、南極内陸Dome Cおよび沿岸Dumont d’Urvilleにおいて2011年の一年間、週ごとに採取されたエアロゾル中の硫酸のδ34S値を分析し、輸送中のδ34S値の変化を検証した。結果、δ34S値は2地点間で均質であったことから、輸送中の同位体分別の影響は小さく、南極大気中の硫酸のδ34S値の主な変動要因は起源の変化であることが示唆された。

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