主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2020年度日本地球化学会第67回年会講演要旨集
回次: 67
開催日: 2020/11/12 - 2020/11/26
p. 91-
惑星内部の進化を知る上で,マグマの酸化還元状態は晶出した相の組成や安定性を決定する重要な指標である.火星内部の進化は火星隕石の分析から推察され,火星マグマの酸素フガシティー(fO2)は主に鉱物の相平衡や酸化還元に敏感な元素の分配を基に議論されてきた.しかし,これらの手法は平衡状態での議論であるため、複数の共存する安定相が生じない結晶化の初期や、カイネティクスが支配する火星活動の最終段階でのfO2が反映されない.本研究では,初期に形成されるかんらん石中のガラス包有物と、最終段階である噴出時に形成される石基の局所X線吸収端近傍構造(μ-XANES)分析からマグマ進化に伴うfO2変化を議論する.