日本地球化学会年会要旨集
2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
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G01 大気とその境界面における地球化学
大気中のメタン濃度の変動と現代の同位体測定の課題
*梅澤 拓寺尾 有希夫遠嶋 康徳丹羽 洋介伊藤 昭彦森本 真司Naveen ChandraPrabir Patra
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キーワード: メタン, 大気観測, 同位体
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抄録

メタンは重要な温室効果気体であり、その全球循環の理解のため多くの研究が行われてきた。過去約40年間にわたる大気中メタン濃度の変動要因はまだ十分に理解されていない。現在では、ボトムアップとトップダウンの両方を組み合わせた統合解析がメタンの全球収支の理解に向けた国際的な取り組みとして組織されている。大気中のメタンの同位体測定は、特に放出源の分離推定のために数十年前から展開されてきた。しかし、観測技術の進歩によるデータ数の増加や、放出源の同位体比の特徴がより詳細に調査されたこと、前述の国際統合解析の進展などで、同位体観測を取り巻く研究背景は大きく変わった。本発表では、全球メタン循環の研究や大気中のメタン濃度の変動を概観するとともに、メタン同位体の大気観測データの最新の活用例も紹介しながら、今後の大気メタンの同位体観測を実施する上での注意点や可能性について議論したい。

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