主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
回次: 68
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/15
p. 140-
軟X線分光器(SXES)はX線スペクトルを高いエネルギー分解能でパラレル検出することが可能であることから化学結合の情報を含む元素の状態分析に適する.本研究では鉱物中の鉄の化学状態分析を目的として鉄のL発光スペクトルに着目しているが,Fe L発光スペクトル近傍にL吸収端が存在するため,同じ化合物でも照射電子線の加速電圧によって自己吸収効果が異なり,ピークエネルギーおよびスペクトルが変化する.この自己吸収効果は,異なる加速電圧の電子ビームを照射した複数のL発光スペクトルから計算によって吸収スペクトルとして抽出することが可能である.この新たな分析手法,軟X線自己吸収構造 (SX-SAS)解析法と,X線吸収端近傍構造(XANES)の測定法としてTEM-ELNES法との比較を行った結果,鉱物によって吸収端のエネルギーおよびスペクトル形状の特徴が一致した.この結果は,SX-SAS法によってXANES分析が可能であることを示している