日本地球化学会年会要旨集
2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
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S01 地球環境と生元素循環
光量の違いが表層水中の酸素消費速度に及ぼす影響
*大石 雄太角皆 潤中川 書子伊藤 昌稚
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p. 161-

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抄録

従来の酸素消費速度定量データの多くは、暗瓶法によって定量されてきた。しかし、この暗瓶法の培養を有光下で行うと光合成が同時進行するため、酸素消費速度は過小評価される。そこで、現場環境との光量の違いが酸素消費速度に与える影響は無視できるほど小さいと仮定し、仮に有光下で採取された試料でも遮光下で培養して酸素消費速度を求めてきた。しかしこの仮定は今では非現実的であり、暗瓶法で求めた消費速度は不正確である可能性が高い。 そこで本研究は、酸素の微量安定同位体である17O2をトレーサーとして用いた酸素消費速度定量法を活用し、琵琶湖において光量の違いが酸素消費速度に及ぼす影響を評価した。現場と同じ有光下で培養した試料を完全遮光下で培養した試料と比較すると、最大で倍以上大きな酸素消費速度を示した。この結果は、従来の暗瓶法に基づく酸素消費速度定量値が、実際の表層水中の酸素消費速度を過小評価している可能性が高いことを支持している。

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