日本地球化学会年会要旨集
2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
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S03 環境放射能研究の最前線
過去の試験操業時に水圏堆積物へ蓄積した使用済み核燃料再処理施設由来の129Iの溶出状況の評価
*佐藤 雄飛今井 祥子
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p. 183-

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抄録

使用済み核燃料再処理施設が隣接する汽水湖の尾駮沼を対象領域として、同湖における堆積物から湖水への放射性ヨウ素(ヨウ素129)の溶出度合いを実験的に評価した。なお、この際に対象としたヨウ素129は主に2006~2008年にかけて行われた再処理施設の試験操業時に堆積物中に蓄積したものである。このヨウ素129について、尾駮沼の中央部(湖の最深部)及び西部(河川流入部)より採取した堆積物を用いて溶出実験を実施した結果、両地点共に顕著な溶出は確認されなかった。このことから、堆積物中に蓄積してから10年以上経過したヨウ素129は湖水中へ溶出しにくい形態となっていることが示唆された。

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