現在、温室効果ガス・水循環観測技術衛星(GOSAT-GW)の開発が進められており、二酸化炭素やメタンに加え二酸化窒素が観測される予定であり、GOSAT及びGOSAT-2に引き続いて二酸化炭素の全大気平均濃度を監視していくこと、パリ協定に基づいて世界各国が作成・公表する二酸化炭素及びメタン排出量の検証において正確性、透明性および信頼性を向上させること、二酸化窒素観測の援用により大都市や大規模固定排出源からの排出について未知の排出源の検知や推計の高精度化を行うこと、が科学的な目標となっている。こうした成果は、パリ協定のもとで実施されるグローバルストックテイクにおいて、各国が自ら設定する排出削減目標を適切かつ野心的に目標設定する上で必要となる「現状の排出量の正確な把握」に重要な貢献となるため、国際的に大きな役割が期待されている。