日本地球化学会年会要旨集
2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
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G01 大気とその境界面における地球化学
青森県弘前周辺の積雪試料中の無機イオン組成の特徴
*秋田谷 美乃松山 阿孝吉仲 由季子野尻 幸宏
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p. 4-

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抄録

全国環境研協議会では全国の降水の無機イオンの化学分析結果を全国酸性雨データベースとして公開している。演者らは、弘前市街で継続的に降水を採取し無機イオン分析を行っており、その結果を全国データベースと比較したところ、全国1.2に対して2程度と弘前の試料中の硝酸/非海塩性硫酸比が全国平均より明らかに高いと分かった。 その要因等を調べるべく’20年12月から翌4月にかけ、弘前市山間部の大和沢地区及び岩木山中腹で積雪を層別に採取しイオンクロマトグラフィーで無機イオン分析を行ったところ、大和沢地区の試料中の硝酸/非海塩性硫酸比は弘前市街の観測に近く、岩木山の試料でも硝酸の地域的発生源の影響が示唆された。また、降水用にアレンジしたトリリニアダイアグラムへのプロットにより、岩木山積雪はMg/Ca比が全国平均の0.13に対し1程度と顕著に高いことが分かった。

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