海洋においてFe,Ni,Cu,Zn,Cd,Pbなどの重金属は,生物地球化学的過程によって循環している.現代海洋における重金属の循環を知れば,重金属の濃度や同位体比を過去・現在の海洋環境における生物地球化学的トレーサーまたはプロキシとして利用できる.これまでの海洋の重金属に関する研究は,溶存態の研究が主であり,粒子態の研究は少なかった.しかし,海水中重金属の循環には,粒子を介した過程が深く関わるため,海水中重金属の循環を完全に理解するには,溶存態だけでなく粒子態重金属の分析が重要である.本研究では,日本海で採取された沈降粒子中重金属の濃度および同位体比を用いて,それらの起源を明らかにした.