日本地球化学会年会要旨集
2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
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G01 大気とその境界面における地球化学
船舶由来の硫酸・シュウ酸エアロゾルの化学種解明と反応過程の解析
*今町 海斗名取 幸花栗栖 美菜子宮本 千尋高橋 嘉夫
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p. 5-

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抄録

近年、船舶由来の硫黄酸化物 (SOx) やシュウ酸を含むエアロゾルなどの環境・気候への影響に注目が集まっている(Wang et al., 2014)。硫酸エアロゾルやシュウ酸エアロゾルは吸湿性が高いため、雲凝結核として働き間接的冷却効果をもたらすが、その影響は大きな不確実性を伴っている。例えば、硫酸・シュウ酸エアロゾルが石膏(CaSO4・2H2O)やシュウ酸カルシウム(CaC2O4)などの難溶性塩を形成し間接的冷却効果が低下することが示唆されている(Furukawa and Takahashi, 2011; Miyamoto et al., 2020)。そこで本研究では、国内で最も船舶交通量が多い場所のひとつである浦賀水道(観音崎)で夏と冬のふたつの時期に採取したエアロゾル中の硫酸・シュウ酸エアロゾルの化学種をXAFS法などを用いて分析し、船舶由来の硫酸・シュウ酸エアロゾルの吸湿性や雲凝結核活性を調べた。

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