日本地球化学会年会要旨集
2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
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G05 古気候・古環境解析セッション
グリーンランド南東ドームアイスコアの年代決定に向けた過酸化水素分析手法の確立
*石野 咲子川上 薫飯塚 芳徳的場 澄人服部 祥平
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p. 62-

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抄録

グリーンランド南東ドーム(SEドーム; 67°N, 36°W, 3170 m)は、グリーンランド内の他の地域と比較して積雪量が極めて多い地点である。この特徴のため、そこで採取されるアイスコアは、高い時間解像度で環境変動が復元できることに加え、揮発や紫外線分解にさらされる時間が短く物質の保存状態が良いという性質を持つ。我々は、過去200年間の人為活動にともなうエアロゾル動態の変遷を世界一の確度で復元することを目的とし、2021年5月に250 m長のアイスコアの掘削に成功した。ここからエアロゾルの変遷を復元する上で、アイスコアの年代決定を高精度に行うことが重要である。過酸化水素(H2O2)は、大気中において光化学反応を通じて生成され、夏季に高濃度、冬季に低濃度となる明確な季節変動を示すため、年層カウントに有用な指標として従来用いられてきた。本研究では上記コアの年代決定を見据え、雪氷試料中のH2O2濃度分析装置を確立した。

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© 2021 日本地球化学会
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