日本地球化学会年会要旨集
2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
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G01 大気とその境界面における地球化学
冷温帯林における大気エアロゾル中の第二級脂肪族アルコールの起源
*崔 羽皓宮﨑 雄三
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p. 8-

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抄録

脂肪族アルコールは脂質の主要成分であり大気有機エアロゾルの大気反応や粒子の寿命、雲の生成にも影響を及ぼすと考えられる。生物起源一次有機エアロゾルの指標ともなり得るが、特にエアロゾル中の第二級脂肪族アルコールについては観測データが乏しく、起源等がよく分かっていない。本研究は森林総合研究所札幌支所の研究林において、通年で得られた粒径分級されたエアロゾル試料から、第二級脂肪族アルコールを同定し、その粒径分布と季節性から起源について考察した。第二級脂肪族アルコール濃度は植生の成長期にあたる春季に濃度が最大となり、その大半は粗大粒子に存在した。また、同定した化合物ではn-nonacosan-10-olが支配的であった。本研究の結果と過去の文献等から、エアロゾルの第二級脂肪族アルコールは、植物ワックスに由来することが示唆された。

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