日本地球化学会年会要旨集
2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
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G06 宇宙化学:ダストから惑星、生命へ
初期火星の水-岩石反応による水素とメタン生成
*上田 修裕渋谷 岳造
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p. 85-

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抄録

初期火星では、液体の水と熱源の存在によって、高温の水-岩石反応が起きていたとされる。この反応は、火星表層環境や生命存在可能性の議論に重要な水素やメタンを生成する可能性がある。実際、水-岩石反応の水素生成ポテンシャルは少なくとも鉄、ケイ素、アルミ等の元素に強く依存する。故に、熱水組成の定量的評価には、岩石組成を考慮した研究が必要である。そこで、火星玄武岩の主要元素組成を考慮した熱水組成の評価を行った。合成火星玄武岩と模擬流体を300度で数か月間反応させた結果、熱水の水素濃度は1~mM 程度に到達した。これは、地球の玄武岩熱水系の濃度よりも高く、メタン生成菌などが生存可能な濃度に匹敵する。故に、主要元素組成を考慮しても、初期火星の熱水場は生命が存在可能な場として期待できる。また、衝突型熱水系では衝突物質由来の鉄ニッケル合金が存在する可能性があるため、火星玄武岩と鉄ニッケル合金の混合物を用いた実験も行った。結果、その熱水は高濃度の水素とメタンを含んでいた。

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