主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
回次: 68
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/15
p. 98-
海底マンガン酸化物中のモリブデン(Mo)は、軽い同位体に富むことが知られている。5価のバナジウム(V)はMo(VI)と同様の元素的な特徴を持つため、海底マンガン酸化物中のVがMoと同様に大きな同位体分別を示すことが期待される。X線吸収端近傍構造(XANES)スペクトルのプリエッジの形状は分子の電子構造を反映しており、そのピーク強度は配位構造に依存し、四面体(Td)では最も高くなり、八面体(Oh)では極めて小さくなる。本研究では、鉄・マンガン(水)酸化物に吸着させたV試料を標準物質として、海底マンガン酸化物のV K吸収端XANESスペクトルのプリエッジを詳細に解析することにより、海底マンガン酸化物中のVのTdおよびOh吸着構造の割合(Oh/Td比)を推定した。さらに、量子化学計算で見積もられたTdおよびOh吸着構造に対する同位体分別の大きさを用いて、海底マンガン酸化物中のVの同位体分別の大きさを推定した。