主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
回次: 69
開催日: 2022/09/05 - 2022/09/16
p. 134-
ジルコン中のウランとトリウムからの放射線によってジルコンの結晶構造は損傷する。この放射線損傷の影響で、LA-ICP-MSによるU-Pb年代測定結果は、TIMSによる年代値からずれることが指摘されているが、この影響を除くには、熱アニーリング処理が有効である。本研究ではジルコンの効率的な熱アニーリング処理法を検討し、複数のジルコン標準物質を用いてその有効性を検討した。過去の研究において沢入花崗閃緑岩中には一般的なウラン濃度の無色ジルコンと5000ppm以上のウランを含有する茶色ジルコンが見出されており、後者では系統的に年代値が古くなる。本研究では高ウラン含有ジルコンの年代値が真であるか放射線損傷によるものか判別することを目的とし、アニーリング処理を行ったジルコンの年代測定を実施した。アニーリング処理後の沢入花崗閃緑岩中の高ウラン含有ジルコンはSHRIMPによる無色ジルコンの年代値と調和的な年代値が得られ、これらジルコンの示す古い年代値は放射線損傷に起因すると明らかになった。