主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
回次: 69
開催日: 2022/09/05 - 2022/09/16
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隕石中の様々な元素について同位体異常が報告されており、その一つの要因として核体積効果による非質量依存の同位体分別(MIF)が挙げられている。この同位体効果は原子核体積が小さい同位体ほど核電荷密度が高くなることに起因している。核電荷密度が高いと原子核内に存在確率を持つs軌道電子のクーロンポテンシャルがより低くなり安定化する。そのため、最外殻s軌道に電子が存在する価数やs軌道電子への遮蔽効果の小さい分子へ、原子核体積の小さい同位体の偏りが生じる。一方で、核体積効果が生じる条件を明確にすることは隕石中の同位体異常を理解する上で重要である。これまでの研究では、クラウンエーテルを用いたSrの溶媒抽出実験においてMIFが報告され、Sr濃度が2 M以上で顕著になることから水和の影響が議論されている。そこで本研究では、最外殻s軌道に電子をもつSn(II)に注目し、Sn濃度のMIFに与える影響を調べた。