日本地球化学会年会要旨集
2022年度日本地球化学会第69回年会講演要旨集
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G7 素過程を対象とした地球化学
X線吸収端近傍構造と量子化学計算を用いた海底鉄マンガン酸化物中のバナジウムの同位体分別予測
*田中 雅人柏原 輝彦高橋 嘉夫
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p. 33-

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抄録

本研究では、鉄・マンガン(水)酸化物に吸着させたV試料を標準物質として、海底マンガン酸化物のV K吸収端XANESスペクトルのプリエッジ解析により、海底マンガン酸化物中のVの四面体(Td)および八面体(Oh)吸着構造の割合(Oh/Td比)を推定した。さらに、量子化学計算で見積もられたTdおよびOh吸着構造に対する同位体分別の大きさを用いて、海底マンガン酸化物中のVの同位体分別を見積もった。先行研究において実験によってVの同位体分別が見積もられている起源の異なる2種類のマンガンノジュール標準試料について、本手法により同位体分別の見積もりを行った。XANESプリエッジ解析から、2つの標準試料はOh/Td比は異なっており、その起源の違いを反映していることが示唆された。また、Oh/Td比に基づいて量子化学計算を用いて見積もられた同位体分別は、ともに実験値とよい一致が得られた。本手法により、海底マンガン酸化物中のVの同位体分別を予測できることが示唆された。

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© 2022 日本地球化学会
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