日本地球化学会年会要旨集
2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
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G5 古気候・古環境解析セッション
カリ長石Pb同位体比による砕屑物の起源解析に向けて
*堀川 恵司梅田 龍聖浅原 良浩板木 拓也菅沼 悠介申 基澈
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p. 100-

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抄録

長石は,アルカリ長石と斜長石に分類され,地殻中で最も主要な鉱物種で,海底堆積物中にも普遍的に見られる。アルカリ長石の端成分の一つであるカリ長石は,初生的にUやThをほとんど含まないため,放射壊変由来のPbの付加がなく(少なく),カリ長石のPb同位体比は源岩の結晶化時の値を保持し,Pb同位体比から供給母岩の推定ができる。また,カリ長石中のPb濃度は高いことから (>20 ppm),1粒子単位でのPb同位体分析が可能で,主要鉱物であることから,少量の堆積物試料から多粒子を集めることも可能である。さらに深層学習によるカリ長石粒子の同定精度が高くなり,鉱物等の微小粒子の選別/採取/集積作業を自動化するシステムの確立によって,複数層準における多粒子のPb同位体比分析も可能になってきている。ポスター発表では,「カリ長石Pb同位体比による砕屑物の起源解析」に向けて,現在検討を進めている研究項目⑴富山県早月川河川堆積物中のカリ長石粒子のPb同位体比の特徴と起源解析トレーサーとしての可能性,(2)四重極ICP-MSでのカリ長石粒子のPb同位体比の分析精度,(3)深層学習によるカリ長石粒子の同定精度について,現在得られている知見を紹介する。

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