工場や火山から放出された水銀は水圏に拡散され、魚類に蓄積される。魚食を介したメチル水銀の摂取は、新生児に対して、悪影響を及ぼすことが懸念されている。 そのため、環境中での水銀の動態を明らかにすることは水銀の曝露経路を調べる上で重要である。 水銀には7つの安定同位体が存在している。環境中で水銀は様々な化学反応によって質量依存同位体分別(MDF)、非質量依存同位体分別(MIF)を示す。また、海洋の表層に生息する魚ほどMIFが大きいことが報告されている( Blum et al .,2013)。 さらに、海中では深度によってpH も変化することが知られている( Robert et al .,2010)。 光の届きやすさによってMIFは変動するが、pH によって変動するかは未だ不明である。本研究では、MIFの要因である磁気同位体効果が塩基性条件下で作用するのか、または、光による還元と塩基性条件下の両方で作用するのかが不明であるため、塩基性条件下でスズ還元を行った。