日本地球化学会年会要旨集
2023年度日本地球化学会第70回年会講演要旨集
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G3 海洋の地球化学
西部北太平洋亜熱帯域における溶存有機態窒素の窒素同位体比にみられた季節変化
*薬師寺 聖奈, 小松 大祐, 石井 慧, 成田 尚史, 三野 義尚
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p. 60-

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抄録

本研究では、低濃度の溶存有機態窒素(DON)のd¹⁵N定量法を確立し、亜熱帯の窒素循環過程について新たな知見を得ることを目標とした。2021年12月と2022年4月に観測した西部北太平洋亜熱帯域のKEO(32.3°N,144.5°E)とKEOS(25°N,145°E)の表層から水深500 mの試料について、2地点2観測回のDONとNO₃⁻の濃度とd¹⁵Nを分析した。その結果、KEOの4月を除いて、表層から水深150 mまでNO₃⁻は0.4 µM以下でd¹⁵Nを定量できなかったが、DON濃度はKEOの12月と4月では4.7 ± 0.3 µM(n = 7)、4.6 ± 0.3 µM (n = 7)、KEOSではそれぞれ、4.5 ± 1.9 µM (n = 10)、4.5 ± 0.9 µM (n = 8)とすべての観測回で同程度だった。一方、DONのd¹⁵N (‰Air)はKEOでそれぞれ+2.2 ± 0.7 ‰、+3.4 ± 0.3 ‰、KEOSでそれぞれ+5.3 ± 1.0 ‰、+1.9 ± 1.8 ‰となり、いずれも中層や深層のNO₃⁻のd¹⁵Nである+5 ~ +6 ‰に比べて低い値を示した。これらの結果から、KEO、KEOSでは表層のDONの起源として、中層や深層のNO₃⁻由来よりも低いd¹⁵Nを示す窒素固定由来の有機物の寄与が考えられた。

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© 2023 日本地球化学会
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