日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G6 宇宙化学:ダストから惑星、生命へ
太陽系外側領域の消滅核種146Sm初生存在度の決定
*正木 駿兵羽場 麻希子横山 哲也鏡味 沙耶
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p. 146-

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抄録

近年、炭素質(CC)隕石とその他の非炭素質(NC)隕石の間で同位体組成が異なる「同位体二分性」が発見された。この二分性は隕石母天体形成位置の違いを反映しており、CCとNCの母天体はそれぞれ太陽系の外縁部と内縁部に由来すると考えられている。多くの分化隕石はNC隕石に属するが、未分類エコンドライトの中にはCC的同位体組成を持つものが存在する。Northwest Africa(NWA)6693/6704はCC的エコンドライトであり、CRコンドライトとの同位体親和性を示す。146Smは半減期103 Maの消滅核種であり142Ndへα壊変する。太陽系の146Sm/144Sm初生比は、初期太陽系における惑星物質の進化を理解する上で重要である。146Sm/144Sm初生比は、アエンデ隕石のCAIや、最古の安山岩質隕石である Erg Chech 002から得られているが、CC領域におけるデータは未だに得られていない。本研究ではNWA 6693/6704に対して、TIMSによる高精度 Nd同位体比分析を行った。その結果、146Sm/144Sm初生比はNC領域やCAIの146Sm/144Sm初生比と整合的な結果となった。

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