日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
会議情報

G8 地球深部から表層にわたる元素移動と地球の化学進化
第一原理自由エネルギー計算を利用した溶融鉄とケイ酸塩メルト間のHfとWの分配:地球の182W同位体の進化への示唆
*鈴木 勝彦土屋 卓久
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 201-

詳細
抄録

マントルにおける182Wの変動とその変遷を理解するためには、高圧下でのHfとWの挙動と隕石衝突などの地球外物質の影響に注目する必要がある。 μ182Wの変動は、以下の3つの過程に起因すると考えられる。(1)マントルにおけるHf-Wの分別。第一原理計算(Deng and Stixrude, 2021)ではブリジマナイト中のHfが濃縮されることが報告されているが、同位体比の結果は下部マントルに沈み込んだブリジマナイトのHf濃縮とは一致しない。 (2) コア形成時にHf-W分別が起きた。(Mundl et al., 2017; Rizo et al., 2017) (3) μ182Wの低い地球外物質が断続的な衝突によって地表に落下した。本研究では,(2)の仮説を中心に,第一原理自由エネルギー計算を用いて地球コア形成時のHf-W分別を制約し,182W同位体進化について議論する。

著者関連情報
© 2024 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top