開発中および開発が終了した鉱山では,露出した鉱石が大気,水と接触することで有害な重金属を含む坑廃水が発生する。坑廃水に含まれる元素のうち,二価の溶存鉄 (Fe2+) およびマンガン (Mn2+) は酸化反応を介して沈殿除去される。坑廃水中のFe2+は鉄酸化細菌などの用いた技術が既に運用されている一方で,Mn2+は酸化速度が非常に小さく,効率的な処理技術は確立されていない。発表ではMnを含む坑廃水が発生する国内鉱山を対象に実施したMn処理試験結果をもとに,Mn除去速度における δ-MnO2の自己触媒反応と共存陰イオンの影響について説明する。