日本水処理生物学会誌
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SNAPプロセスの窒素処理能力に及ぼす運転条件変動の影響
武川 将士太田 哲吉田 大祐佐藤 宇紘金城 弘典惣田 訓池 道彦古川 憲治
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2013 年 49 巻 4 号 p. 133-142

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抄録
Single stage nitrogen removal using anammox and partial nitritation(SNAP)プロセスは、微生物付着担体に嫌気性アンモニア酸化(anammox)細菌とアンモニア酸化細菌を付着固定化し、部分亜硝酸化処理とanammox処理を1つのリアクターで行う一槽型窒素除去プロセスである。本研究では、実用化に向けて容量80lの大型SNAPリアクターを立ち上げ、溶存酸素濃度(DO)(2-5mg/l)、pH(5.6-8.9)、水温(15-35℃)を変化させて処理能力に及ぼす影響を調べた。曝気風量を高めてリアクター内のDOを段階的に上昇させた結果、DOの上昇と共にアンモニア酸化細菌の活性が高くなり窒素除去速度が上昇することが確認された。この時、DOによるanammox活性への阻害は見られなかった。pHを変動させて処理能力の変化を調べたところ、pH 6.1-8.6の範囲で安定した処理を達成できた。pH 5.6の条件ではアンモニア酸化細菌の活性の低下により窒素除去速度が急激に低下し、処理水に高濃度のアンモニア性窒素が残存したが、pHを通常の7.5に戻すと、窒素除去速度は速やかに回復した。pH 8.9の条件ではanammox細菌の活性の低下により高濃度の亜硝酸性窒素が槽内に蓄積し、窒素除去速度が著しく低下した。その後、pHを7.5に戻したが亜硝酸性窒素によるanammox細菌の阻害の影響で窒素除去速度は回復しなかった。さらに、水温を35℃から15℃まで段階的に低下させた結果、窒素除去速度はわずかに低下したが、高い窒素除去速度を維持し、安定した処理を達成することが確認できた。
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© 2013 日本水処理生物学会
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