日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G2 環境地球化学・放射化学
北海道北部における地下環境中のヨウ素の移行挙動の解明
*村上 拓馬玉村 修司上野 晃生佐藤 聖猪股 英紀青山 秀夫山口 眞司冨山 眞吾五十嵐 敏文
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p. 38-

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抄録

ヨウ素(I)は医療・農業・工業などに広く利用される貴重な資源であり、チリ、日本、アメリカで90%以上が生産されている。日本の地下水に含まれるIの濃度は非常に高く、その起源は地層中の有機物とされているが、詳細は不明である。本研究では、北海道北部の地下水とそれを胚胎する岩石について、Iと臭素(Br)の分析を行い、地層内でのIの移行挙動を調査した。浅海性の鬼志別層および陸成層の宗谷夾炭層から得られた試料を用い、地下水と岩石中のBrおよびI濃度をそれぞれイオンクロマトグラフィーおよびICP-MSで定量した。結果、地下水と岩石中のI濃度は深度と共に増加し、相関関係が認められたが、Brには相関が見られなかった。これにより、Iは地下水と岩石間で吸着平衡状態にあることが示唆された。

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