日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G3 海洋の地球化学
西太平洋域の酸素同位体分布決定メカニズムと酸素同位体比データの水塊トレーサーとしての可能性
*布施谷 征樹堀川 恵司
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p. 73-

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抄録

本研究では,ラニーニャ期にあった2022年夏の西太平洋で収集された酸素同位体比(δ18Osw, n = 236)データを用いて西太平洋域の酸素同位体分布決定メカニズムの解明とδ18Oswの水塊トレーサーとしての可能性を検討した。2022年ラニーニャイベントでは,北緯5~10度に亜熱帯収束帯が存在し,降水によってδ18Oswが低くなっていた。亜熱帯収束帯を含む北緯20度以南の熱帯赤道域における塩分-δ18Osw関係式は,Global Seawater Oxygen-18 Database (LeGrande and Schmidt , 2006)よりも,傾きが大きく(0.29),切片(-9.56‰)が小さくなっており,ラニーニャ期の大気・海洋状態を反映していると考えられた。また,ラニーニャイベント時の西太平洋の北緯20度東経160度付近の亜熱帯高圧帯では蒸発が優先しδ18Oswが高くなり,北緯30度以北の親潮系水の影響域では高緯度河川の影響を強く受けてδ18Oswが低くなっていた。また,鉛直試料のδ18Oswデータからは,北太平洋中層水が-0.3 ~ -0.1‰の値を取り,北緯23度まで追跡されることが分かった。

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