日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G4 初期地球から現在までの生命圏の地球化学
超微量試料の硫黄同位体分析法の開発
*小川 奈々子吉村 寿紘黒田 潤一郎高野 淑識大河内 直彦
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p. 87-

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抄録

硫黄は地球環境中に様々な形で存在し、生命活動にも重要な役割を果たしているが、その同位体比測定には一般に2 µmolS程度の試料量を必要とするため、試料量を集められるかどうかが研究の一つの律速となっている。私たちは、硫酸態硫黄を陰イオンクロマトグラフで単離するフラクション捕集法(ICFC法)、硫酸試料を効率よくバライト結晶に変換するマイクロバライト生成法(µ-Barite法)、高感度硫黄同位体比測定システム(nano EA/IRMS)による微量分析を合わせることによって、5 nmolSで硫黄同位体比の測定を可能にした。本講演ではこの新たに開発した硫黄同位体比の微量分析法の詳細を環境試料の測定事例と共に紹介し、その潜在的な利点や実用的応用可能性、今後この新たな分析法が克服すべき課題についての議論を行う。

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