Journal of the Japanese Society for Horticultural Science
Online ISSN : 1882-336X
Print ISSN : 1882-3351
ISSN-L : 1882-3351
原著論文
トウガラシ属植物の果実形態と体細胞多倍数性(polysomaty)との相関関係
小川 大輔石川 恵子布村 伊三位 正洋
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2010 年 79 巻 2 号 p. 168-173

詳細
抄録

トウガラシ属植物 12 品種・系統の果実形態(果実長,果実幅,新鮮重および果皮の厚さ)と体細胞多倍数性(polysomaty)との関係についてフローサイトメトリーを用いて調べた.すべての果実で様々な倍数性の細胞が混在する polysomaty の状態であり,その中で Capsicum chacoense PI260429 は最も小さい果実で,2C に相当する細胞から 16C に相当する細胞までの細胞が混在していた.果実長が最大の C. annuum‘Nikkou-tougarashi’は 2C から 64C まで,果実幅が最大の C. annuum‘Oh-natsume’と新鮮重が最大の C. annuum‘Paprika’は 2C から 128C までの細胞の混在がみられた.また,C. annuum‘Édes alma’は果皮の厚さが最大の果実で,2C から 256C までの細胞が混在した.果実形態と polysomaty との関係を重回帰分析した結果,果皮の厚さと体細胞多倍数性(polysomaty)が最も相関が高く(r = 0.88),果皮細胞の倍数性が高くなると,果皮が厚くなることが示唆された.

著者関連情報
© 2010 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top