日本地球化学会年会要旨集
2024年度日本地球化学会第71回年会講演要旨集
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G4 初期地球から現在までの生命圏の地球化学
ストロンチウム同位体比分析による上部白亜系Kem Kem Groupの大型捕食性脊椎動物の生息域復元
*服部 竜士中島 保寿浅沼 尚平沢 達矢白井 厚太朗飯塚 毅平田 岳史
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p. 89-

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抄録

モロッコの上部白亜系Kem Kem Groupでは,堆積環境が陸上と水中,海水と淡水の境界にあたり,恐竜類を含む爬虫類,魚類など複数の環境に適応していた可能性のある脊椎動物化石が産出する.これらの化石が共産する背景には,生息域の違いが関係した可能性が考えられる.絶滅動物の生息域を調べるには,生育地質種の同位体比を反映するストロンチウム同位体比(87Sr/86Sr)が有用である.本研究では,87Sr/86Sr分析を用いて,Kem Kem Groupの化石脊椎動物の生息域の違いを明らかにすることを目的とした.続成作用の影響について,元素組成分析の結果から,象牙質よりもエナメル様組織において続成作用の影響が最も小さい部位であると確認できた.歯化石のエナメル様組織の87Sr/86Sr分析の結果,陸棲~半水棲の爬虫類は0.7090以上の値を示したのに対し,魚類化石は0.7077~0.7085の範囲を示した.象牙質の87Sr/86Srは0.7090程度に収束する傾向が見られ,堆積物由来の値に影響を受けたと考えられる.

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