初期原生代(約25-16億年前)は、好気的代謝の獲得により原核生物が多様化し、生命が真核生物へと進化し始めた地質時代である.近年この時代の微化石からリンやモリブデンが直接検出され、細胞膜や酵素系に関わる機能的進化の痕跡が示されつつある.こうした進化を支えた背景には、最古の超大陸形成を含む全球規模での火成活動の活発化が挙げられる.海底熱水活動による岩石圏から表層環境への元素供給、堆積速度の増加と地下熱源による堆積性有機物の急速な石油化など、この時代に大規模な資源鉱床の形成が進行した.一方でこれらの地質学的プロセスは生命圏における元素循環を変化させ、それが生命進化の駆動力となった可能性がある.本講演では「地球ダイナミクスが生命進化を駆動した」という視座のもと、鉱床形成と生命進化の相互関係についての地球化学的分析と考察を紹介する.