日本地球化学会年会要旨集
2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
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G7 素過程を対象とした地球化学
微生物代謝におけるトレオニンの窒素同位体分別
*山口 保彦由水 千景陀安 一郎
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p. 174-

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抄録

アミノ酸の窒素同位体比は有機物循環の解析に有用であり、中でもトレオニン(Thr)は特異な同位体挙動を示すことから注目されている。本研究では、4種の微生物(大腸菌、酵母、2種の古細菌)を用いた純粋培養実験により、Thrの窒素同位体分別を調べた。アンモニアを窒素源とした場合、ThrとPheの窒素同位体比の差は植物プランクトンの値と一致した。一方、遊離アミノ酸混合物を窒素源とした場合、酵母と古細菌ではThrが負の分別を示し、動物での先行研究と同様の傾向が確認された。対照的に大腸菌では正の分別が見られ、Thrの新規生合成が関与している可能性が示唆された。これらの結果は、Thrの窒素同位体比を指標とした環境中有機物の起源解析における解釈の不確実性を低減するうえで、重要な知見となる。

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