本研究は、愛知県南知多町の天神山遺跡から出土した縄文早期の土器を対象に、土器材料(胎土)の構成物質と起源を明らかにするため、元素組成の測定化学分析と同位体分析を行う。特に、文様から定義される考古学上の土器型式と、地球化学分析による元素・同位体データとの対応を検討する。これまで、4つの型式を含む土器片20点に対し、XRFによる主成分元素の定量分析、またICP-MSによる微量元素・希土類元素の定量分析、さらにTIMSによるSr同位体分析を行った。これらの分析の結果より、土器型式ごとに主要元素組成が異なる傾向が認められた。これは材料物質の元素組成を反映していることが示唆される。また87Sr/86Sr比の結果から、二成分混合を示唆する結果が得られた。土器型式に加え、土器片の出土層位などの情報も総合的に検討することにより、天神山遺跡における土器製作活動の通時変化などについて考察する。