日本地球化学会年会要旨集
2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
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G1 大気とその境界面における地球化学
北太平洋における大気化学輸送モデル「IMPACT」による人為と鉱物起源エアロゾル予測の評価
*伊藤 彰記栗栖 美菜子長島 佳菜
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p. 6-

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抄録

鉱物起源、人為起源、および森林火災起源のエアロゾルは、植物プランクトンの成長にとって重要な栄養塩(鉄)を供給する。それにより、植物プランクトンを起点とした食物連鎖を通して海洋生態系および気候へ影響を与える。しかし、鉄(Fe)を運ぶエアロゾルの発生源固有の評価が十分になされていない。そのため、それらの発生源の寄与率推定には多大な不確実性が存在する。本発表では、北太平洋域で船舶を活用し捕集したエアロゾルおよび海水濾過試料の観測データを用いて、数値モデルで予測される発生源の寄与を評価する。特に、エアロゾル中微量金属(Fe, Al, Ti, V, Mn, Cu, Zn, Pb)とダスト(石英)を中心に報告する。大気化学輸送モデルとしては、IMPACTモデルを用いた。人為および森林火災起源の排出量には、発生源データを用いて、鉱物起源の発生量は気象条件を考慮して推定した。数値モデルの評価として、北太平洋において、船舶を活用し捕集したエアロゾルおよび海水濾過試料の観測データを解析に使用した。 また、過去の研究によりまとめられた船舶による観測データも用いた。IMPACTモデルは、北太平洋への石英個別粒子観測を基に推定されているダスト沈着フラックスをより良く再現した。また、IMPACTモデルは、北太平洋上空における粗大粒子の石英含有量観測データをよく再現した。さらに、IMPACTモデルは、粒径区分されていない水溶性鉄濃度の再現性が良かった。微小粒子において、鉄安定同位体比により推定された人為起源鉄と自然起源鉄の寄与率にも良い一致を示していた。このことは、モデルによる予測再現性の良さを示す。発表では、人為起源鉄発生量の改善に関して議論する。

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