日本地球化学会年会要旨集
2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
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G4 初期地球から現在までの生命圏の地球化学
地下環境を模擬する培養条件下でメタン生成菌が作るメタンの安定同位体シグナル
*眞弓 大介玉木 秀幸加藤 創一郎五十嵐 健輔小野 周平鎌形 洋一坂田 将
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p. 61-

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抄録

天然ガス(メタン)は、メタン生成菌が作る「生物起源」と地下深部の地熱によって発生する「熱分解起源」に分類される。これまで、メタンの生成起源を特定する際には「安定同位体シグナル」が重要な指標として用いられてきた。地下由来の生物起源メタンは、同位体平衡に近い安定同位体シグナルを示すことが特徴であるが、このシグナルをメタン生成菌の室内培養実験で再現した例はなく、同位体地球化学と微生物学の解釈には大きな隔たりがあった。今回、地下環境を忠実に模擬する高圧培養装置を開発し、水素発生型細菌と水素資化性メタン生成菌を共培養することで、同位体平衡に近い安定同位体シグナルを初めて再現することに成功した。さらに、地下環境において、水素資化性メタン生成菌が熱分解起源メタンの安定同位体シグナルを生物起源メタンのものに「上書き(再平衡化)」する現象を発見した。これらの成果は、天然ガス鉱床の成因推定に関する従来の解釈を大きく見直す必要性を示している。

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