主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
回次: 72
開催日: 2025/09/07 - 2025/09/19
p. 64-
本研究では、琵琶湖に生息する淡水魚2種(オイカワ Opsariichthys platypus、ブラックバス Micropterus nigricans)の筋肉試料について、バルク有機物および16種のアミノ酸の化合物レベル炭素同位体比を測定し分布特性を評価した。アミノ酸炭素同位体比は個体内で25‰に及ぶ幅広い分布を示したが、その同位体分布には共通した傾向が認められた。いずれもフェニルアラニン、チロシン、バリン、メチオニンなどがバルクより4~8‰軽い値を、解糖系のグリシンやセリンなどはバルクより著しく(8~16‰)重い値を示した。この傾向は他の海産生物(魚類、頭足類、哺乳類)等での結果とも一致し、生物中のアミノ酸炭素が生合成や代謝など普遍的な生理プロセスにより強く制御されていることが示唆された。またホルマリン固定処理によるアミノ酸抽出量の減少が一部で見られたが、炭素同位体比への影響は限定的であり、固定標本からでも信頼性のあるデータが得られる可能性が示された。